第12回のテーマは 「 地域で多職種で考えよう-リハビリテーションの実際 」で行い、96名の方にご参加いただきました。
在宅におけるリハビリテーションでは、生活機能を維持・向上することや自立した生活に向けた動作の習得などが目標となります。住み慣れたところで安全に安心して普段どおりの生活が送れるようにするためには、医療や福祉の方のみならず、普段から生活に関わるあらゆる人々の協力が必要となります。
今回は、講演に加えデモンストレーションの時間を設け、メディカルハンプ訪問看護ステーションの方々からご説明いただきました。
酒井美知子所長からは、自宅で出来る呼吸のリハビリの説明とデモンストレーションがありました。
* 痰が出しにくい方へ
・タッピング:手のひらをお椀の様な形にして、背中を軽く「ポン、ポン、ポン」と細かくリズミカルに叩きます。
・ ハッフィング:ゆっくりを息を吸い込んだ後、「ハッ ハッ ハッ」と強く、早く、息を吐き出します。4~5回繰り返します。
* 慢性呼吸不全(呼吸しづらい)の方、嚥下障害(飲み込みづらい)の方へ
上肢、頸部、肩甲骨周囲の柔軟性のストレッチは無理せずゆっくりと息を吐きながら行いましょう。
また、理学療法士の小田切哲先生は、年齢による口まわりや舌の機能低下を予防・改善する目的で行う「パタカラ体操」の発声ポイントを説明されました。
「パ」:口をしっかり閉じてから発音しましょう。
「タ」:舌を上あごにくっつくように発音しましょう。
「カ」:のどの奥を意識して発音しましょう。
「ラ」:舌をまるめて発音することを意識しましょう。
三好滋冶先生は、在宅で行ったリハビリの訓練を再現し、日常生活での動作を目標とすること、少しの工夫をみつけることなどをお話しされました。
終了後のアンケートから、「 普段みられないリハビリがみられてよかった 」「 誰にでも取り組めるリハビリを知ることができた」などがありましたが、「 認知症がある人に対してどう取り組むのか 」「 リハビリの意欲低下している対象者への働きかけ 」などの課題の声も聞かれました。
太田院長は、あいさつや、親愛の情、喜びの表現として行う「 握手 」でも、その方の体力や栄養状態を知る指標となるとお話しされました。手と手を取り合うように、地域における多くの方の連携の必要性を改めて実感しました。
次回の開催は未定ですが、詳細が決まりましたらホームページにてご案内致します。